churaroom’s blog

日常感じている事時々意識のお話

私の心は全て知っている。

 「僕ごめんなさいするね」

男の子は急に私にそう言った。

 「滑り台を反対から登ってごめんなさい」

どうやら他の先生に怒られたようだ。
 
 「うん良いよ。次から気をつけてね!」

男の子は無言だったが、
心の中で「よしっ!」
と、言っているように見えた。


そしてその後男の子は、
怒った先生の元へ謝りに行った。


他の子と遊んでいると、
また私の元へやってきてこう言った。

 「ダメだ。僕、謝りきれない」

謝りきれないってなんだろう?って思った。
男の子は続けてこう言った。

 「謝ったら3回怒られた・・・」


私はとっさにこうアドバイスした。


 「だったら3回謝ったら良いよ」


その男の子は「ハッ!」とした顔をし、
また先生の元へ行った。


今度は一部始終を観察する。

男の子が3回謝る。
先生が注意する。


男の子がもう一度謝る。
先生がまた注意する。


それを何度か繰り返したのち、
男の子は諦めて先生から離れていった。


男の子の心には、

 「どんなに謝っても許してもらえなかった」

と言う傷跡を残してしまった。



その先生はなぜ許してくれなかったのだろうか?
その答えは私にはわからない。


わからないけど、
一つだけ後悔したことがある。


当時私は、
男の子を助けることなく、
ただの傍観者になっていた。


あの時私は、
男の子のことを見捨ててしまった。


それは誰も見ていないし、
事情を知らないかもしれないけど、


私の心は全て知っているんだ。


もしも過去に戻れるとしたら、
迷わず今度は助ける。


もし同じような機会に遭遇したら、
迷わず助ける。


そう心に決めて、
私は今日も歩んでいく。

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